安部公房の名作小説『砂の女』が、舞台として新たに息づく―
1962年に発表され、翌年には第14回読売文学賞を受賞。20以上の言語に翻訳され、世界中で読み継がれる不朽の名作『砂の女』が、現代の舞台表現で再構築される。
果てしない砂丘に囲まれた部落、深い穴の底に閉ざされた家。そこに迷い込んだ男と、砂を掻き続ける女。逃げ場のない世界で交錯する孤独と欲望、そして人間の本質。原作が描く濃密な世界観を、山西竜矢の脚本・演出、主演・森田剛のもと、舞台ならではの質感で紡ぎ出す。
本作キービジュアルと公演詳細が解禁となった。 深いワインレッドのベルベットに包まれた姿が、閉ざされた世界で生まれる緊張と濃密な空気を象徴するキービジュアル。その重なりが生む陰影と深紅の艶めきが、観る者を舞台の深淵へと引き込む。

【STORY】
教師の男・仁木順平(森田剛)は夏に休暇を取り、昆虫採集のために海際の砂丘に赴いた。そこには、一風変わった村があった。家々がまるで蟻地獄の巣のように、砂丘に深く掘られた穴の中に建っており、どれもこれも今にも砂に埋もれてしまいそうなのだ。変わった村もあるものだと思いながら、男は村の老人に勧められ、そのうちの一軒に泊まることに決めた。家の中では、断続的に降り注ぐ砂に家が埋まってしまわないよう、家主の女(藤間爽子)がひとりせっせと砂掻きに精を出していた。翌日男が目を覚まし、地上に出ようとすると、外に出るためにかけられていた縄梯子が無い。不思議に思う彼だったが、なんとそれは村の人々の仕業だった。ひっきりなしに穴から砂を運び出さなければこの村は埋まってしまうため、村人たちは砂掻きの人手を求めており、男を騙して村に引き留めようとしていたのだ。男は困惑するが、砂を掻かずに逆らうと水が配給されなくなってしまうため、女と砂を掻き出しながら奇妙な同居生活をせざるを得なくなる。なんとか砂の穴から脱出しようと、思いつく限りのあらゆる方法を試みる男だが…..
【公演概要】
公演名称 : 『砂の女』
脚本・演出: 山西竜矢
原作 : 『砂の女』安部公房
キャスト : 森田剛 藤間爽子 大石将弘 東野良平 永島敬三 福田転球
企画・制作: レプロエンタテインメント
製作: 「砂の女」製作委員会
協力: Abe Kobo Official through Japan UNI Agency, INC.
©1962 安部公房 公式 HP: https://stageoffical.com/sunanoonna/
公式 X : @sunanoonna_
【東京公演】
公演日程:2026年3月19日(木)~4月5日(日)
会場:紀伊國屋ホール
主催:「砂の女」製作委員会
提携:紀伊國屋書店
【プロフィール】

■脚本・演出:山西竜矢(やまにし・たつや)
舞台演出家・脚本家・映像監督。
1989年12月26日生まれ、香川県出身。
数年の俳優業の後、独学で脚本・演出を学び、2016年、演劇ユニット ピンク・リバティを旗揚げ。創作活動を開始する。映像作品では、2021年に長編映画『彼女来来』を公開し、初監督作品ながら北米最大の日本映画祭 JAPAN CUTS で新人部門最高賞の「大林賞」を受賞。また、2021年にはドラマ『SHUT UP』の脚本で、アジアコンテンツアワードにて最優秀作家賞にノミネート。ジャンルレスな活動で、国内外を問わず高い評価を得ている。
近作に、舞台『点滅する女』『みわこまとめ』作・演出、KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『ジャズ大名』脚本、メイキングドキュメンタリー『生まれゆく日々』監督・構成、ドラマ『パパと親父のウチご飯』『晩餐ブルース』脚本、など。

■森田剛(もりた・ごう)
俳優。1979年2月20日生まれ、埼玉県出身。
2005年、劇団☆新感線の『荒神~Arajinn~』で舞台初主演を務めて以降、数々の舞台、映像作品に出演。
近年では、舞台『空ばかり見ていた』(2019)『FORTUNE』(2020)『みんな我が子』(2022)『ロスメルスホルム』(2023)『台風23号』(2024)『ヴォイツェック』(2025)など多数出演。主な映画出演作には『ヒメアノ~ル』(2016)『前科者』(2022)『DEATH DAYS』(2022)『白鍵と黒鍵の間に』(2023)『劇場版 アナウンサーたちの戦争』(2024)『雨の中の慾情』(2024)などがある。

