これまで語ることのなかった、壮絶な生い立ちや芸能界での葛藤……。情報解禁後、ネットを中心に大きな反響を呼び、発売前重版も決まった、エッセイ『わたしが幸せになるまで』が2021年5月13日、刊行された。
幻冬舎では刊行を記念し、同日、オンラインで記者会見を開催。エッセイに込めた思いを語った。
書いているうちに心境の変化が
吉川「当初、私が実践している、ライフスタイルやオーガニックについてや、2人目を自宅出産したこと、独特な子育て法について知ってもらいたいと思って書いていました。
でも、半分くらい書いてから、私自身の生い立ちや過去を皆さんに知っていただいたほうが良いと思うようになりました。これまで取材を受ける中でも、家族構成や生い立ちについて聞かれる機会はありました。でも、複雑な家庭環境に育ち、芸能のお仕事を始めてからも、両親との問題を解決できていなかったこともあり、曖昧にごまかしてきてしまっていました。なので、私がどのような人間なのか、皆さんにいままで話したことがありませんでした」と語る。
本書は、冒頭に収録されている「人生の豊かさについて」というエッセイを、ウェブ上に限定公開したところ、大きな反響を呼び、予約が殺到。発売日の本日までに重版が3度かかり、累計部数も5万5千部となった。
吉川「発売前に4刷りと聞いて、本当にびっくりしました。そのようなことは想像していなかったし、自分が書いた本がたくさんの人に読んで頂けることが光栄で、嬉しく思っています。エッセイの限定公開後も、温かいコメントをいろいろな人からもらいました。自分の過去や生い立ちを綴ることは、やっぱり少し勇気のいることでした。励ましのコメントを沢山頂き、(エッセイ公開からの)1か月間、幸せな気持ちで過ごさせて頂きました。また、本を書いている最中もすごく楽しくて、楽しんで最後まで書きあげることができました」と笑みを浮かべる。
人生の端から端まで書いてしまった
吉川「人生観が変わったドキュメンタリーを紹介したり、オーガニックグッズを紹介したりもしています。人生の端から端まで書いてしまったという感じです」
「私自身が夫にインタビューして、それを原稿に反映したものもあります。原稿を読んだ夫は、大丈夫?と言っていましたが、それくらい、パートナーシップについても赤裸々に描きました。妊娠中、夫と私がどのような感じで、どう過ごしていたのか。女性の方に読んでいただくのもとても嬉しいけれど、男性の方にも読んで貰えたら嬉しいです」と明かした。
いままで一度も公にしていなかったことも
吉川「この本を書いている最中、大きな出来事がいくつか起こりました。ひとつは、コロナ禍が起きて取り巻く世界が一変したこと。約30年間所属していた芸能事務所から独立したことや、第三子を妊婦したこと。そして、いままで一度も公に話したことがなかった、自分の過去や生い立ちを話すことができました。わたしにとってその変化は最も大きなものだったと思います」
「わたしは今まで、芸能人という職業柄、自分の個性やインパクトは作らなくちゃいけないけど、全部本当のことは言わず、波風を立ててしまう恐れがあることは、それがどんなに自分のこだわりの部分であっても曖昧にしておく癖がついていました。でも、わたし自身がありのままの自分を受け入れられるようになり、波風を立てないことよりも、本当の自分を優先させられるようになりました。これからのわたしの発信が表面的なものにならないように、このタイミングで、自分の言葉で語ったこの本を通して、改めて本当のわたしを知ってもらえる機会があったことをとても嬉しく思っています」
「同じ未来を思い描く仲間たちとよりよい時代を築いていけるように、これからの人生は、いま世界中で起きてしまっている社会問題や環境汚染から目をそらさず、子どもたちの未来が希望で溢れるように、世界中が幸せに包まれるように、そんな日を夢見て、自分にできることをしていきたいと思っていますとアピールし、大盛況のうちに会見が終了した。
幻冬舎公式ページ